いきなり小売をやる事になった自分が縋っているバイブル5冊
去年の4月にパラリーガル兼事務員から小売関係の仕事に転身して、早く一年以上経ってしまいました。自らの意思ではなく勤め先の都合で移ったこともあり、最初は本当に辛かったのですが、今ではブログを書く余裕くらいは出てきました。
自ら接客をするだけではなく、販促企画の立案や店舗設計といった後方支援にあたる仕事もあり、しっかりと基礎を固めないと務まらない仕事だなーと日々痛感しています。
そもそも何が基礎なのか?しっかりした研修過程がある大企業なら教えてくれるのでしょうが、自分のところはそもそも小売が専門ではないため、独学するしかありません。
これまで孤軍奮闘する過程で、半ば精神安定剤として読み漁ってきた(読んでいる間は「これで成長できる!」「なんとかなるかも!」という希望を感じる)小売業関連書籍の中で、おすすめの書籍を紹介しようと思います。
どれもハウツー本ではなく体系的・網羅的なもので、何度も読み返して使えてヒントを得られるという意味でのおすすめです。
販促手法の基本 この1冊ですべてわかる
値引き、実演・試食、各種広告の使い方など、販売促進(お客様に買ってもらうための取組)手法を分類して具体的に紹介している一冊。書かれている内容は特段目新しくはなく、小売業に関わったことがなくても見聞きしたことがあるような、本当に「基本」ではあるが、小売業はその基本を実現することが非常に難しい業種(私見)なので、基本に立ち返る必要・頻度が高いと思います。
かつ、小売業は携わる人間の幅が広い(いろんな人がいる)ので、何事もわかりやすく説明する必要があります。本書はだれでもわかる言葉づかいで書かれているので、本書の記述をベースにしてオペレーションを作れば、ほかのメンバーにも意図を伝えやすいでしょう。
インストア・マーチャンダイジング 第2版
「お客様にとって買い物しやすい店づくりにより、買上点数を増やして売上高を高める」という発想がインストア・マーチャンダイジングで、現在の店づくりの基本的な考え方のひとつです。この考え方に基づいて指導を行うコンサルも多く、実践するか(できるか)どうかは別にして、必ず知っておかなければいけない考え方だと思います。
本書は読みやすい教科書というテイストの書籍で、すぐ実行に移せるネタ集・ノウハウ本ではないのですが、小売業に携わるうえでの基礎固めとして、または欠かせない一冊だと思います。
小売業・サービス業のための 船井流・「集客」大全 (DO BOOKS)
- 作者: 船井総合研究所編著,小野達郎監修
- 出版社/メーカー: 同文館出版
- 発売日: 2008/06/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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小売業・サービス業のための船井流・「販促」大全 (DO BOOKS)
- 作者: 船井総合研究所編著,小野達郎監修
- 出版社/メーカー: 同文館出版
- 発売日: 2012/09/26
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小売業・サービス業のための船井流・「集客」大全、「販促」大全
こちらは実践の書といった趣の書籍で、見開き2ページでひとつの手法を説明する形式です。どれも読みやすく具体的で、かつどうして有効なのかの説明も書かれています。
そして何より、頼れる兄貴分のような文体であるため、読んでいて元気が出ます。大全というタイトルに似つかわしい分厚さで、卓上に置くと背表紙から激励が聞こえてきます。
同じシリーズで『店長大全』(こちらは人事労務・経費面関係が主)もあるのですが、残念ながら未読です。3冊並べたときの安心感はどれくらいなのか。早く読まなきゃ。
店舗レイアウト(チェーンストアの実務原則・シリーズ)
こちらはチェーストア研究の大御所によって書かれた本で、どうすれば売れる店になるのか、半ば指示するかのように説明されています。内容は大変具体的でありながらも理論化されていて、どのような店舗であっても少なからず参考になると思います。そして著者の断定口調が心強く心地よいです。
小売業の良書とは
他にもたくさん読んでいますが、小売関係の本って再読したくなるものがあまりないんです。今回挙げた本を著者・経験から再度解釈したものが多く、元ネタである本を手元に置いておけば事足りるんですよね。
本を読むだけではどうしようもない業界ですが、それでも読まないよりは絶対にマシですし、読んでいる最中は精神的に楽なんですよね。ビジネス書ポルノというやつを実感しています。
私見ですが、小売業自体には体系的な理論があまりなく、色々な分野(認知心理学とか)からの知見をうまくつまみ食いする必要があると思うので、読書の幅も広げていかないとなーと考えているところです。
いずれ「小売に役立つ良書」みたいな形で、再度おすすめ書籍をまとめられるほどに読み進められたら理想的ですね。