消費増税での中小小売店支援策のせいでかえって潰れてしまいそう
消費税10%への引上げが正式に表明され、中小小売店支援策(案)が示されたところですが……
この(案)のために中小小売店の多くが店じまいに追い込まれそうです。
2%の割引券
報道によると、「キャッシュレス支払いしたお客さんに、中小小売店だけで使える2%クーポンを配布」するとのこと。
お客さんにとっては美味しい話ですが、販売店側からするとマジで勘弁してほしいです。
どういう仕組みになるかは不明ですが、クーポン券として運用するのであれば
・お客さんが支払う金額が2%減る
・後日販売店から国に書類を提出して、その2%分を国が補填
という流れが、一番手間がかかりません。
この場合、お客さんがレジで支払わなかった2%分は、一定期間、販売店が負担することになります。
売掛金みたいなものですね。
この2%がでかいんです。
増税で確実に売上高が減少するうえ、さらに現金収入が2%後払いとなると、自転車操業の小売店は仕入が起こせなくなるでしょう。
国からの2%補填を待つ間、店を閉じているしかないのでしょうか?
2%還元をやるのであれば、店舗での支出額はそのままで、お客さんが2%分を国から直接貰う仕組みにしてほしいと、切に願います。
そもそもキャッシュレスを導入したくない
国としては、消費増税に合せてキャッシュレス決済の導入も進めていきたいようです。
小売店としては、キャッシュレス決済はなるべく導入したくありません。
小さい店になればなるほど、手数料がでかいからです。
僕の見聞きする範囲内で恐縮ですが、キャッシュレス決済の手数料(売上代金に乗じられる利率、電子マネー運用母体の取り分)は、売上代金の5%くらいが相場です。
12%がボーダーだと提示されたこともあります。
大手のチェーン店であれば、3%前後と聞きますが、中小店舗では結構強気に提示されます。
売上金の5%は、かなり大きいです。時給が5%減るようなものです。
加えて、キャッシュレス決済ができるようになっても、お客さんは増えず、売上高も伸びません。
うちの店舗は先日、ついに経営陣が根負けして電子マネーを導入しました。
元々クレジットカードは一通り対応していましたが、加えて交通系マネーや携帯電話系(iDなど)、銀聯カードにも対応しました。
結果、売上総額が減少。
客数は変わらないのに、客単価が明らかに減少しました。
電子マネー利用のメリットとして、おつりが出ないことが挙げられます。
現金の場合、きりの良い1,000円近くまで「ついで買い」されていたところが、本当に必要なものだけを購入する動きが強まったようです。
加えて、交通系マネーの場合、チャージ額という利用上限があるので、購入金額は少なくなりがちです。
電子マネー利用者自体は相当数いたのですが、お客さんの総数が変わらないことから、これまでの利用客が現金支払いからキャッシュレス決済に変えただけと思われます。
そのため、売上高は減少するわ、支払手数料だけ増えるわ……利幅が狭まるだけでした。
この流れが半ば強制的に進むとなると、本当に終わります。
転職が決まる前に、無職になるかもしれません。