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隘路

社畜による情けない日々

休みが欲しいと言い放てない世の中(『社長のための「休む」技術』感想)

読書 社畜 残業 感想

長時間労働が当たり前になっている昨今の世の中では、堂々と「休みたい」と言おうものなら「もっと頑張っている奴がいるんだから黙れ」と石を投げられるのがオチです。

「休みたい」と口ごもるならまだしも、「周りが頑張っているんだから自分ももっと頑張らなきゃ」とセルフ洗脳を施術してしまう方も多いのではないでしょうか。

 

『社長のための「休む」技術』は、休むことの重要性を説くとともに、仕事で成果を上げるために必要でもあることを説いた一冊です。

 

 

タイトルは“社長のための”となっていますが、休むことの重要性は社畜にとっても大いに参考になります。

 

 

働くのに必要なこと

本書では、マズローの「欲求の階層」に基づき、

・身体の再生(持続可能性)

・気分、情動(安全)

・集中力(自己実現

・精神(存在意義)

 

この4つを、働く上でのニーズ(必要なエネルギー)として挙げており、これらを質的に良い状態(ポジティブ・ハイパフォーマンス)に保ちながら、量的にマネジメントしていく必要を説いています。

 

質と量

各章ではまず、4つのエネルギーを縦軸に量の多寡、横軸に質の良し悪しをとり、4つの次元に分類します。

そして、4つの次元のうち良質な状態を保ちつつ量的に消費・回復を繰り返すことで、成長がもたらされると説明します。

逆に、悪質な状態では量的に充実している状態であっても、良い成果を出せないどころか、心身を故障に繋がると警告します。

 

具体的にひとつだけ挙げておきますと、身体の再生(持続可能性)では次の通り書かれています。

 

量的:多 質的:良  エネルギー活性(健康、能動的)

量的:寡 質的:良  鎮静(瞑想、余暇活動)

量的:多 質的:悪  急上昇(カフェイン等の刺激物での一時的覚醒)

量的:寡 質的:悪  無気力(受動的、何もしない・できない)

 

それぞれの次元にいる時の典型的な状態を描写してから、質的に良い状態へ移行するための注意点を説明する流れです。

 

感想

エネルギーの量的な多寡はRPGでいうヒットポイントであり、直感的にわかるものですが、質的な良し悪しというパラメーターは本書を読んで初めて気がつきました。

というよりは、ただ休んでヒットポイントを回復するだけでは本当の心身の回復にはならず、休み方を見直して良質な休み方を心がけなきゃという新しい知見を得ることができました。

 

休むことの重要性自体はよくわかるのですが、休むための時間をいかにして捻出するかのテクニックはなかなか実用できないのが、翻訳本の悲しいところ。

それでもわずかな休みを改善してやろう!という気概を持ち、休みの質を高めることは可能だし、まずはここがスタートなんだろうと都合よく解釈することにして、明日からの残業に備えます。