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隘路

社畜による情けない日々

わが身を振り返って考えてみる、ソーシャルゲーム課金への心理過程

なぜソーシャルゲームに続々課金してしまうのか?
これまでも様々な体験談が語られ、分析がなされているところですが、
これまでの状況を概観しつつ、個人的に足りてないと思う部分を紹介します。



①サンクコスト
せっかく課金したのに中途半端に終わらせるのでは「もったいない」と感じてしまう心理を指します。
重課金を止められない人の心理過程として、よく登場しています。

 

②保有効果
コレクション欲はソーシャルゲームに限らず、おおよそ趣味と呼ばれるものに付き纏いますよね。
ソーシャルゲームを触りだしてから、無課金でたいてい揃うポケモンシリーズのありがたみが骨身に染みました。

 

③他プレイヤーからの評価
ソーシャルゲームでは他人からの視線を感じるもので、自慢したくなるものです。
また、「隣の芝は青い」ということわざのとおり、他人が持っているものは、ひときわ素敵に見えるもので、つい欲しくなってしまうものです。

 

④部分強化
課金心理というよりは、ガチャを回し続けてしまう心理を説明する理論です。

 

ここからは僕からの思いになります。

⑤コミットメント・一貫性の原理
以下、ロバート・B・チャルディーニ著『影響力の武器』からの引用です。
ほとんどの人には、自分の言葉、信念、考え方、行為を一貫したものにしたい、あるいは、他者からそう見られたいという欲求があることは、心理学者の間ではずっと以前から知られていた。
この欲求は、三つの要素によってもたらされる。第一に、一貫性を保つことによって、社会から高い評価を受ける。第二に、一貫性のある行為は、一般的に日常生活にとって有益である。第三に、一貫性を志向することで、複雑な現代生活をうまくすり抜けるのに役立つ、思考の近道が得られる。すなわち、以前の決定と一貫性を保つことで、将来類似した状況に直面したときに、関連するすべての情報を処理する必要が少なくなり、以前の決定を思い出して、それに一貫するように反応しさえすればいいことになる。

 

【コミットメントによる自己イメージの変化】
「物事に関わりあうことや行為を遂行することについての感情に変化が起こったらしい。一旦依頼に応じると、考え方が変わり、自分のことを、知らぬ人からの頼みに応じ、正しいと信じていることを実行し、もっともな理由がある場合には協力する、そういう類のことをする人間なのだとみなすようになるだろう。」

 

サンクコストの観点とも似ているのですが、要するに、
一度自分で決めたことは、なかなか後からは変られない、ということです。

 

⑥課金したほうが単純に楽しい
何事も本気を出して取り組んだほうが楽しいものです。
本気を出したくなる仕掛けづくり、そして面白いゲームを作ろうという制作者各位の努力の賜物です。



従って、ゲームを提供する側としては、無課金プレイしている層に対して、まず1回課金してもらうことが肝心なのかと思います。

 

最初の課金ステップを踏み出してもらう、つまりこれまで課金してこなかったユーザーたちに初めて課金してもらうには、
通常の課金行為よりもずっとメリットが大きい、特別な課金のチャンスを示すことをが有効だと思われます。 
 
通常の課金による報酬としてメジャーなのは、
・スタミナの回復(時短効果)
・ガチャを回せる(一定確率でメリットがある)

 

以上の2点です。
つまり、これらより魅力的な報酬を準備すれば、通常より魅力的な課金チャンスを作り出せるのです。

 

真っ先に思いつくのは、本来低確率でしか手に入らないものを、確実に提供することが挙げられます。

 

つまり……SSレアチケットです。

 

以上、これまで無課金を貫いてきましたが、ついに「アイドルマスターシンデレラガールズ スターラートステージ」に課金してしまった人間の自己正当化でした。

ええ、9月の1周年SSレアチケットです。

 

改めて思うと、初課金層を大量獲得した後に、SSレア確率2倍(通常の課金よりも魅力的だが、SSレア確実配布よりは劣る)という、通常課金への橋渡し的なキャンペーンを実施する戦略は、かなり王道を往くものなのかと思います。

 

ユーザー側としては、こういった心理メカニズムの存在を知り、課金したくなるのは人間として当然という客観的事実を肝に銘じたうえで、意志の範疇を超えた心理メカニズムによって課金を煽られているのか、本当に対価が欲しくて課金したいのか、冷静に考えたうえで課金するかどうかを決める必要があるでしょう。

デレマス的に言えば、「〇〇が来たら課金しよう(=〇〇が来ないうちは課金しないでおこう)」という誓いを早めに立てておく、 これが一番かもしれません。

 

最後に、同じく『影響力の武器』より引用します。

 

私たちの社会では認知の過剰負荷傾向が強まっているので、それに比例しててっとり早い意思決定を行う機会が増えている。そのため、相手への要請のなかに、影響力の起爆剤をいくつか忍ばせるタイプの承諾誘導の専門家はますます成功しやすくなっている。
現代の生活の特徴である変化と選択の課題が溢れかえった状況を扱いきれないという場面がますます増えている。下等動物には外部の環境の複雑さと豊かさを十分に処理できるだけの心的装置が備わっていないが、私たちも今後ますます、下等動物と同じ立場に立たされるだろう。
人間は自らの手で複雑な世界を急速に構築したが、認知能力・情報処理能力は追いつかない。